知識と日陰の備忘録

遊戯王に関することをそこはかとなく書きます

手札誘発について思うこと〜誘発は必要悪なのか?〜

こんにちは!灰流うららのことが好きすぎてサプライをうららで統一してるアキーシャです!youtubeの動画内ではデコハゲだの何だのと言っていますが、普通に好みです!アキーシャは知能が小学生なので、好きな女の子には意地悪したり悪態をついたりしちゃうのです。幼い女の子なのでね!可愛くないわけがないのです!(しかも強いし...)うららスリーブが発売された時は、ほぼ徹夜の状態(前日遅くまで麻雀を打ってただけ)で朝からショップに買いに行きました笑

 

そんな灰流うららを代表としたいわゆる「手札誘発」、どうやら一部の意見として「フリーデュエルやyoutubeの動画の場面では使うべきではない」や「誘発を使うのは面白くない」というものがあるようですね。今回はこの意見を踏まえて私なりの考えを述べてみたいという記事でございます。

 

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 手札誘発の現状と問題点

 

確かに、大会等で活躍する「ガチデッキ」にはこの手札誘発が惜しみなく採用されており、大会でのデュエルは文字通り、ゴキブリと幼女を投げつけあって、それに対して指差し確認できるかどうかが勝利の鍵となっているのは事実ではあります。油断してると隕石が降ってきたりしますからね、文字で書くともはや何が何だかわからん状態です。何が問題なのか、と言われれば主に2点にまとめられるのではないかと私は考えます。

 

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①手札誘発を引けたかどうかで勝敗が決まる?

ほぼ全てのカードゲームについて言えることですが、先攻が有利です。特に遊戯王のように「制圧」というルートがあるゲームではなおさら、先攻が圧倒的に有利になります。この動きを妨害できるかどうかが勝敗に関わるというのは間違いありません。仮に誘発を使って先攻プレイヤーを妨害できたとしても、後攻プレイヤーが同じく誘発を打たれて理想展開ができなかったら、先攻プレイヤーが勝利する可能性が出てきます。このように、誘発を早い段階で握れているかどうかは、勝敗に直結する重要なファクターであることは間違い無いです。かと言って、初手に誘発を握れるかどうかは運の要素が大きいので、これが手札誘発が嫌われる要因となっている可能性が指摘できます。

 

②地味に高価な手札誘発

前項の内容を踏まえれば、デュエルで勝つためには手札誘発が必須であるということになってしまいます。そして、初手で握れるよう、ある程度の枚数・種類を採用しておくことが望ましいです。現に、環境最前線で活躍しているデッキというのは、この手札誘発を無理なく採用できる枠が空いているという特徴があります。

 

さて、あなたが強いデッキを組むためにガチテーマを選択したとしましょう。そして、採用する手札誘発を決定し、意気揚々とカードショップに出かけたとします。採用するカードは以下の通り

 

・灰流うらら×2

・増殖するG×3

・幽鬼うさぎ×1

・無限泡影×3(こいつ正確には手札誘発じゃないですけど似たようなもんなので)

 

まぁよくあるセットですね。ではでは価格をチェックしていきましょう!レアリティにはこだわらないとして、なるべく安いものを特価ではなく普通に買ったとしたら多分こんな感じ。

 

・灰流うらら→1000円×2=2000円

・増殖するG→800×3=2400円

・幽鬼うさぎ→500×1=500円

・無限泡影→1800×3=5400円

合計10300円

 

いやどういうこっちゃ、ってなりますよね。デッキの4分の1にも満たない部分で、しかもメインのテーマに関わるわけではないのにこのお値段。異常です。さらに指差し確認要員の「墓穴の指名者」はだいたい700〜800円あたりが相場。こいつも複数枚欲しいのでさらに費用は増えます。

 

今回はガチデッキの例を紹介しましたが、問題はこの手札誘発がガチデッキじゃなくても必要なカードであるということです。つまり、採用枚数を抑えて最低限にしようと思ってもそれなりにお金がかかってしまいます。遊戯王を楽しみたいという方にはお分かりいただけるかと思いますが、いくつもデッキを組んでいろんな動きを遊びたいという方も少なくないでしょう。そうすると、理論上は組んだデッキの数だけ、誘発にお金がかかる、ということになってしまうわけです。たまったもんじゃないですよね。

 

そうなると、手札誘発が入ってないデッキというのが出てきますよね。私もデッキは現在33個所持していますが、その中でガチデッキと呼べるレベルでしっかり誘発と対誘発札を組み込めているのは5個くらいです。でも、楽しみたいから組んだデッキなのに、誘発がないから勝てないってんじゃあ、そりゃあ面白くないですよね。ゲームってのは勝つのが面白いんですから、基本。よって、これが誘発が嫌われる理由のもう1つになっているのではないかと考えます。

 

手札誘発全切りしたらどうなってしまうのか?

 

ここまで手札誘発の問題点を挙げてきました。では、手札誘発を全切りしたらどうなってしまうのか?答えは簡単です。これまで以上に運ゲーが加速します。具体的に言えば「じゃんけん」と「初手」で決まる可能性が格段に上がります。

 

先述の通り、遊戯王は先攻有利が基本です。先後はじゃんけんで決めることが多いので、じゃんけんの勝者が有利になります。これを返せる1つの手段が手札誘発なのですが、それがないとなると途端に先攻有利が助長されてしまうのではないでしょうか?

 

初手についても同様です。最初の5枚でどこまで展開でき、制圧が敷けるか、返しの6枚でその制圧をかいくぐって展開し返せるか、これだけの勝負になります。ドローソースがあるかないかは今回非考慮としますが、要は相手を止める手段が少なくなれば行動の自由度は増えるものの、どの程度行動できるかが完全に引いた手札によって決まってしまう、ということになるのではないでしょうか。

 

まとめると、手札誘発が全くないとなると、勝敗に関係する運の要素が格段に上がると私は考えています。いわば、手札誘発は必要悪のようなものではないかと。「いや、誘発握るかどうかも運ゲーだろ」ってなるかもしれません。しかし、私はそれにこそ意味があると考えています。

 

手札誘発の存在意義

 

私の考えとしては、手札誘発は「存在すること自体に意味がある」と考えています。

皆さんは「冥府の使者ゴーズ」というカードをご存知でしょうか?あるいは「オネスト」は?このカードの登場はプレイヤーの戦略に大きな影響を与えたと言って間違いありません。

 

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ゴーズは「ダイレクトアタックは小さい順に」という文化を作り、オネストは「ダメージステップの確認」を習慣づけたカードです。現在ではどちらも環境ではあまり見られないカードですが、これらが登場した当時は、「手札にゴーズ(オネスト)がいるかもしれない」という警戒をしながらプレイをし、「いるかもしれない」と思わせるプレイングが戦略の1つでもありました。彼らを手札に握れるかどうかは完全に運です。しかし、「それがあるかもしれない」という意識があるだけでプレイングが変わるのです。これってものすごくカードゲームっぽくないですか?少なくとも私はこの読み合いやプレイングの変化での対応というのがカードゲームの醍醐味だと思うのです。

 

手札誘発に関しても同じことが言えると私は考えます。「こういう展開をしたいが、相手の手札に灰流うららがあるとして...」という考えを持ってプレイができるプレイヤーとそうでないプレイヤーの間には、明らかに実力に差があると思います。実際に灰流うららを持っているか否かはどうかはどうでもいいのです。要は可能な限りケアをしながらプレイングを変更できるかどうかが重要なのです。例えば「カードをプレイする順番を変えて本当に誘発が打たれたくない部分に打たせないようにする」や「チェーンの組み方を少し変えてみる」と言ったような、手札誘発に対するケアの意識を持つだけで強くなれるんじゃないかと思います。ニビルが来日するときに、「使うかどうかは別として、こういうカードがカードプールに存在することに意味がある」という意見を目にしました。私もこの意見に同意します。めちゃくちゃ聞こえの悪い言い方をすれば「手札誘発があるからダメ、勝てないしつまらない」のではなく、「手札誘発を意識してデッキ構築、プレイをしてないからダメ、勝てないしつまらない、誘発のせいで負けたんだと思い込む」ということです。

 

「僕の考えた最強コンボ」を通したいのはわかります。それを紹介する動画があることも知っていますし、なんなら私もそういうのが好きでよく見ています。真似したことも何度もあります。しかし、真似してみてその次に考えるのは「どこに誘発を打たれるのが急所か、回避やケアの方法は指名者以外にあるのか」です。この思考を持つのが正解とまでは言いませんし、ケアできてないコンボはロマンだから欠陥コンボとまでは言いませんが、是非一度、この部分にも目を向けてみたら面白いかもしれません。

 

手札誘発を打つ側だって考えてる!

 

手札誘発をどこで使うか、何を採用するかというのも難しい問題です。いっぱい入れただけでは誘発がダブついて逆に自分の展開を妨げかねません。たくさんのカードを持っていたとしても、採用枚数はデッキ構築の上での悩みのタネです。

 

採用理由についても同じです。例えば、私が組んでいるジャンクドッペルデッキには「エフェクトヴェーラー」を3枚、「PSYフレームギア・γ」を3枚、「幽鬼うさぎ」を1枚採用しています。

 

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それぞれの採用理由としては、ヴェーラーが「ワン・フォー・ワン」で出せるチューナーであること、γはチューナーであるかつ初動で確実に通したい「増援」「サイバネット・マイニング」「調律」に対する誘発ケアにもなり、効果が通れば「水晶機巧-ハリファイバー」に繋がること、そして幽鬼うさぎはγとセットで採用することで「緊急テレポート」で呼び出し、レベルを散らすことができるというものがあります。(この構築が正解というわけでは決してありません!)見ている側からしたら「誘発のおかげで勝ってる、つまらん」となることもきっとあるでしょうが、やっている側からしたらこれも構築段階での考えが成功したということなので、正直楽しくてしょうがありません。視点の違いですね。

 

同時に、「どこで手札誘発を使うか」も非常に重要なプレイングスキルです。せっかく誘発を初手で引けて発動できたのに、展開を止められなかったという負け方をしたデュエリストもたくさんいらっしゃるかと思います。運だけじゃ勝てないってことですね。こちらが運よく初手にうららを引けたとして、相手が運よくうらら1枚じゃ止まらないくらいの上振れ手札である可能性もあるわけですから、考えてみれば当たり前のことですよね。

 

「結局運じゃねーか!」って?いや、そりゃそうですよ。どこになんのカードが積んであるかなんて、リストバンドの中に仕込んでない限り神様にしかわかりません。手札がどんな状況かも、マインドスキャンでもしなきゃわかりっこないです。だからこそ、読み合い、駆け引きがあって、遊戯王がもっと面白くなるのではないでしょうか?最大限の努力と対策をした上で、運だけで決まってしまう確率を低くするというのが大切なような気がします。

 

フリーデュエルではちょっと注意...?

 

ここまで、手札誘発に関する肯定的な立場を示してきましたが、フリーデュエルでは気をつけた方がいいことがあります。それは、相手がどのような意識・価値観でデュエルを楽しみたいか、わからないということです。そういう時は事前にお互いに確認しておいた方がいいと思います。別記事でも書いてますが、カードゲームというのはコミュニケーションのゲームなので。

 

yp-knowledge.hatenablog.com

 

逆に言えば、特に確認もなくデュエルすることになって手札誘発を使ったら、後になって「フリーで誘発使うとか常識ないですね」とか言われても、私からしたら「あっ、ふーん」くらいにしか思いませんね。お互い意見が共有されておけば、誘発が飛び交うフリーデュエルもありなんじゃないかと思います。私はとりあえず、「誘発とかどんな感じです?」って聞くようにしてます。皆さんはどうなさってますか?

 

まとめ

 

長々と書いてしまいましたが、要するに私が言いたいのは「手札誘発を使うこと」自体は、どの場面であっても悪いことではないと私は考えます、ということです。薬と一緒で、用法・用量が大事ってことですね。誘発が嫌いだ!って意見を否定するつもりはありませんが、私はこれからも当記事のようなスタンスでデュエルをしていこうと考えています!手札誘発の相場が下がれば、敷居も下がると思うのですが、そこは商売道具として捉えていらっしゃるのがKONAMI様。2月に再録が来るそうですが、ばらまくというわけではなさそうですね...なんとかお願いしますよ、KONAMI様!

 

長くなってしまったので今回はここまでです!普段書き物してると、気がつくと文章が長くなってしまうんですよね...最後までお付き合いいただきありがとうございます!また別の記事で!

 

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