リモート哲会で使用したカリユガBF紹介〜BF連載第3回(最終回)
みなさんこんにちは!今回がBF連載記事のとりあえず最後となります。とりあえずというのは当初の予定がこの3回分だったからという理由でありまして、今後気が向いたら番外編とかスピンオフとかアフターストーリーとかいうどこぞの界隈で好まれる手法で記事が追加される可能性があるからです。今のところそのつもりはないのですが、基本的に勘と思いつきとノリで行動して生きてきていますので今後どうなるかは私自身にもわかりません。とりあえず、予防線だけ貼っておきます。
前々回・前回の記事はこちら
第1回では新規カードとBFの関連性について述べ、第2回ではその関連性への主張の根拠となるBFのテーマとしての強さと弱さについて補足をしました。最終回となる今回は、ここまで述べてきたBFの現状を踏まえて構築した、私が愛用中のBFの構築を紹介し、連載を終わりたいと思います。それでは、今回もよろしくお願いいたします。
さっそくデッキレシピ紹介から
前置きは前2回の記事で終わっているので省きます。使っているのは先攻カリユガを目指すBFです。着地させれば実質的に相手にターンスキップを強いることができます。
そして、私の書くデッキ紹介の記事にしては珍しく、サイドデッキが入っています。そうです、このデッキは「環境デッキではないという言い訳をしつつエグい制圧してちゃんと勝ちを拾いにいくこと」を目的として調整したデッキなのです。私はデッキをたくさん持っている都合上、いわゆる「環境トップ」のデッキも持っており、サイドデッキのパーツもしっかり持ってます。ですが、やっぱりBFが好きなので、BFで勝ちたいという思いが強く、BFをガチデッキ仕様に仕立てました。
このデッキは6月13日に開催された遊戯王インストラクターのTetsuさんが主催してくださったリモート哲会にて使用しました。デッキ紹介の後、戦績も紹介しておきます。
まずは動きを見てください
デッキの基本的な動きを紹介いたします。なお、このデッキを作成するにあたってはTCGプレイヤーの方のコンボ・デッキを参考にしつつ、OCG環境に合わせて調整を加えたものになっています。元動画が気になる方はyoutubeで「silentBW」で検索してみてください。
シムーン+コストでの展開
https://twitter.com/patchouli_duel/status/1407260811165257730
最終盤面:アーセナルファルコン(素材なし)+カンゴルゴーム+リダン(罠素材)+ラウンチ
相手ターンスタンバイコズサイをケアしながらカリユガを着地させるための準備を整えてターンを終わります。リダンで相手デッキトップを抜くことでデッキタイプを予測することができたり、魔法を素材にできれば1ドロー稼げたりします。<ツインツイスター>を警戒するのであれば、リダンはおかず、ブリガンダインセットにしておくのもありです。その辺は相手のデッキに合わせましょう
ゼピュロス+BFor旋風での展開
https://twitter.com/patchouli_duel/status/1407261922148323333
最終盤面:アーセナルファルコン(素材なし)+カンゴルゴーム+ラウンチ
こちらも同じく相手スタンバイでのコズサイをケアしながらカリユガに行けます。シムーン始動に比べて並ぶモンスターが少なくなりますが、最強カードであるゼピュロスに最初から触れているというのが非常に安心感があります。
というのも、セピュロスを墓地に送っておき、ツイートの手札にもう1枚ブラストかクリスを握っていれば、ワイズの効果に対する<無限泡影>や<灰流うらら>のような効果無効の手札誘発を貫通できます。手札のレベル4とゼピュロスでフォースストリクスを作れますし、2種類のRUMはどちらもラスティで引っ張ってこれるからです。最終盤面こそ弱くはなりますが、カリユガは安定してたちます。
では、なぜカリユガなのか?
数ある効果無効のカードたちの中から、なぜカリユガを立てることにし、BFで組むことにしたかについての説明をしていきます。
①各種カウンターカードに対する性能
妨害性能を持つカードが蔓延る現代遊戯王の中でも、強力な部類に入るのがカリユガです。しかし、対抗馬として比較対象にされるのは、おそらくVFDでしょう。
ちなみに、BFでもVFDを立てること自体はできるのですが、あえてカリユガを選択しました。それは、効果無効に対するカウンタカードに非常に強いからです。
VFDの効果は「発動する効果」ですので、無効効果の発動にチェーンが可能です。ですので、<禁じられた一滴>や<無限泡影>、(準制限になってしまいましたが)<PSYフレームギア・γ>と言ったカードにチェーンを許し、無力化されてしまう危険性が残っています。
しかし、カリユガの効果は発動する効果ではないという裁定が出ています。つまり、着地に成功した瞬間に適用される効果であるため、先ほど述べたカードが全く効きません。また、これはVFDも同じなのですが、この効果は適用後残存効果として残りますので、たとえカリユガが除去されても、効果は無効にされ続けます。この点がめちゃくちゃ強いです。特に、一滴に関しては最近メイン採用のデッキも増えてきていますので、警戒すべきだと考えています。
②魔法も止められる
表側のカードの効果が無効になるため、魔法カードも場に表で置かれた瞬間に無効になります。これの何が強いかというと、なぜかしぶとく生き残っている<魔鍾洞>に対する回答にもなります。展開系のデッキの天敵と言える<魔鍾洞>ですが、魔法カードの効果は発動できるため、ラウンチ発動からのカリユガ着地までは問題なくいけます。
さらにその後、カリユガの効果が「適用」されますので、結果として<魔鍾洞>は無力化され、エンドフェイズにカリユガの②効果でフリーチェーン大嵐をすれば、次のターンに問題なくバトルができます。
その他の、魔法でモンスターを突破しようという戦術を全て封殺できるので非常に強いです。
③セットカードからの捲りのチャンスも与えない
②でも触れましたが、カリユガはフリーチェーン大嵐を持っていますので、相手の伏せにも強くでれます。天敵は<やぶ蛇>ですが、カリユガは打点が3500ありますので、戦闘でもそれなりに強く出れますし、大嵐を相手エンドフェイズに打ってしまえばそれほど大きな問題ではありません。<激流葬>やバリア系のカードに怯えることなく、相手のライフを取りに行けます。
④アーゼウスとの親和性
ゼピュロス展開例を見ればお分かりかと思いますが、展開にしようした札や相手の誘発具合によっては、カリユガは立ったけど微妙に打点が足りなくて削りきれない...というような場面に遭遇する可能性があります。
そこで活躍するのがこいつ
ラウンチは発動後、ランクアップしたモンスターの素材になります。素材なしアーセナルにカリユガを重ね、そこにラウンチを入れると2素材カリユガになります。フリーチェーンで大嵐をした後、カリユガで攻撃してアーゼウスを重ねれば、2素材アーゼウスになれます。まとめると、カリユガができる仕事が
・1ターン場の効果全部無効(実質相手ターンスキップ)
・フリーチェーン大嵐1回
・3500未満のステータスを戦闘破壊orダイレクトで3500打点
・アーゼウスになって1回全体墓地送り
となります。強すぎますね。カリユガだけだと1ターンでライフを取りきれなかった後が怖いのですが、アーゼウスがいればもう1ターン、相手の動きを牽制できます。この辺りがうまくカリユガと噛み合っていて強いなぁと感じます。
ちなみに、カリユガを残したい場合には、飛んで逃げて帰ってきたリダンで相手のデッキトップを1枚盗み、バトル後にアーゼウスを重ねても2素材アーゼウスになれるので、覚えておいて損はないと思います。
⑤デッキに不純物が少ない
手札誘発を除いて、デッキを回すためのギミックとしてのBFでない不純物のカードは5枚です。ですが、このうちサイレントブーツ以外は全部素引きが強いです。ブーツ引いたらちょっと回し方が難しくなりますが、なんとかなります。また、初動の要求条件も低く、不純物が少ないことから、かなり安定して先攻カリユガできます。成功率は大体8~8.5割くらいです。
デッキを動かす上での注意点
展開系を握った時に真っ先に考えることは「手札誘発を食らった場合の動き」です。これについて今から述べていきます
①2枚初動の組み合わせに、特殊召喚できるレベル4BFを引いている場合
この場合、<灰流うらら>と<無限泡影>はラスティ以外全部貫通できます。シムーン始動であればラスティ成立前にカンゴルゴームが立つので、<無限泡影>も怖くないです。ですので、指名者やサイチェン後の<禁止令>はまず、初動に+したBFが引けているかを基準に考えましょう。
②<増殖するG>について
天敵です。脊髄反射で返してください。返せない場合の止まりどころを紹介します。
・ゼピュロス+4BF始動の場合
→バグースカ寝せてエンドです
・せピュロス+旋風
→ワイズ前に撃たれたら素直に止まっていいです。ワイズ後に撃たれたら全ツもありです。ワイズ壊されたらどっちにせよ勝ち筋が薄いので、突っ張る価値が生まれます。
・シムーン始動
→フルアーマード寝せてエンドか全ツです。正直、どこで止まっても弱いです。旋風も無くなるし、捲り返すのが難しくなるので、ニビルうらら抜けそうであれば突っ張っていいと思います。
ご覧の通り、止まりどころはほぼないと思ってください。ですので、Gに対する対策が必須であると言えます。このデッキにはGに対する回答が8枚ありますので、なんだかんだ止められることが多いです。
③ニビルケアについて
基本的には抹殺の使命者頼みになります。しかし、レベル2BFを絡めている場合、ニビルケアができます。ニビルケアに使うのはこいつです。
ホープストラクで高騰したやつ。BFであればこいつを正規召喚できます。
・シムーン+レベル2BF+ブラストorクリスの場合
1.シムーンコストでレベル2BFを除外しておく。旋風おいて召喚して、アウステルサーチ。
2.アウステル効果で除外したレベル2を特殊召喚して旋風でハルマッタンサーチ。
3.ハルマッタンを特殊召喚してレベル調整を行わず、場に出ていたレベル2BFとX召喚。
これでピッタリ5体目の召喚でジャッジバスターが成立します。あとは手札からブラストorクリスを出して基本展開と同じ動きです。
・ゼピュロス+ガスト+ブラストorクリスの場合
1.ガスト効果で特殊召喚。
2.旋風貼ってゼピュロス召喚、ハルマッタンサーチ
3.ハルマッタンを特殊召喚してガストとX召喚
めちゃくちゃ簡単ですが、特定の組み合わせでないと厳しいです。でもできるとできないとじゃかなり違うので、ケア札を採用する価値はかなりあると思います。
④γについて
無理です、諦めてください。モンスターを戦線に維持しながら戦わないといけないタイプのデッキなので、破壊までされるとマジでしんどいです。しんどいのですが、メインデッキにγ入れて抹殺で、っていう枠もないのでこれは食らったら諦めるしかないです。シムーン始動の場合は、フルアーマードになれる素材を残しつつワイズを作る、というので若干ごまかしは効きます。最初のシムーンに打たれる分には手札次第でなんとかなるんですけどね...
サイドデッキについて
大前提として、BFは後攻ワンキルや捲り性能が結構高めです。先攻だとただの置物になるフルアーマードも、後攻であればかなり強いカードとなります。しかし、最初の召喚が潰されるのが痛いのと、打ちどころによっては1妨害が致命的になる場所もありますので、最優先としたのはまず場を荒らせるカードです。そして、環境をみて、罠に対するケアをするために、制限ですがリブートを打ち込みました。
<禁止令>は主に、3戦目で先攻が選択できる時に入れます。展開途中、ゼピュロスで戻して貼り直しができるので、実質2枚分ケアできることになります。大抵の場合ニビルを宣言しますが、うららがきつい場合はうらら宣言です。Gが避けれないのが弱点ですが、ニビルうらら抜いてカリユガ立てば、勝てる試合もあるので、全ツでいいと私は思っています。
残りの枠に数種類誘発が積めるくらいだったので、とりあえずどのデッキにも刺さるGと泡影、あとは環境にぶっ刺さってるロンギヌスを入れてみました。今回参加したリモート哲会は、交流会的な要素もあり、おそらくゴリゴリの環境デッキは出てこないんだろうなとは思っていたのですが、かといって何入れればいいかも思いつかなかったので思考停止で3枚入れました。公認やCS意識でもロンギヌスは入ってくるのでまぁいいかなって言い訳させてください。
実際に戦ってきました!
というわけで実戦です。何気に、カリユガ型のBFでマッチ戦の大会に出るのは初めてでした。スイス4回戦の結果をご覧ください。
1回戦:シャーク(クラゲ入り) 先 ◎××
2回戦:60アンデ 先 ◎××
3回戦:真竜 先 ◎×△(時間ぎれ引き分け)
4回戦:60機巧 先 ◎◯
えっ、私のサイチェン後、弱すぎ...!?
プレイヤースキルのなさが露呈しました。サイド後の闘い方が悪かったですね。ただ、サイドカード自体はうまく機能していたのでそこは良かったかなと。相手が何をサイドから入れてきたかの読みが甘かったですね。ニビルくらいしかわからんかったっす。
良かった点としては、結果の◎のところです。これは全試合、先攻カリユガが決まって勝った試合です。今回全試合で1戦目は先攻スタートでしたが、しっかりとカリユガできました。その他の試合でも、ほぼ全ての試合でカリユガが立つ手札にはなっていましたので、非常に安定しているデッキに仕上げることができたのではないかと自負しております。
また、時間ぎれで引き分けにはなってしまいましたが、真竜をはじめとしたメタビ要素の強いデッキに対しては、フルアーマード横にしてエンドがめちゃくちゃ強いです。いずれ勝てます。相手のデッキや自分の先後に合わせてある程度柔軟に動きを変えられる点も強いなと感じました。総じて、デッキは強かったです。弱いのは私です。修行します。対戦してくださった皆様、そして何よりも主催してくださったTetsu様、本当にありがとうございました!
見えてきた弱点
BFの弱点については散々述べてきましたが、このデッキ特有の弱点が見えましたのでそれを紹介いたします。
それはなんといっても「アーゼウスが無理」
です。
最終盤面に残るカードで最もステータスが低いラスティは、場で効果を使わずに作れるXモンスターに殴り負けることも時々あります。また、今回でいえばクラゲ先輩のように、戦闘破壊されても墓地効果でXモンスターを供給できるので、メイン2にアーゼウスになってきます。これでエンドされ、カリユガの制圧効果が切れた後にアーゼウスで盤面を一掃されると、することがなくなります。
「いや、そりゃアーゼウスは壊れだから仕方ないっしょ」と言ってしまえばそれまでなのですが、現環境を考えるのであれば、アーゼウスを無視するというのは絶対にあってはいけません。どっからでも飛んでくるモンスターなので、戦う上で必ず意識しなければいけないモンスターだと思っています。
しかし、現状後攻1ターン目メイン2にアーゼウスを立てられた時の回答はありません。今後はここをどうカバーするのかを考えながらデッキ構築していきたいと思います。
今後の展望とまとめ
以上が、2021年4月環境最後となったリモート大会での私のカリユガBFの戦いでした。他のCSでは別の構築のBFを使いましたが、その時も環境デッキ相手にバリバリやれましたので、BFというテーマはポテンシャル自体は高いと思っています。罠コにボコられましたけど...
さて、今後の展望ですが、2021年7月環境では、<十二獣ドランシア>が再び禁止に、<PSYフレームギアγ>が準制限になりました。正直言ってこれはBFにとっては間違いなく追い風です。苦手かつ環境に蔓延っていたカードが一気に2種類枚数を減らしましたので、少しはやりやすくなるかな、という感じです。逆に、展開デッキ全体に対する追い風でもありますので、展開デッキに刺さる札がBFにも刺さるという問題点も増えました。わかりやすいのはGとニビルですね。おそらくメイン投入枚数が増やせるデッキが環境に残り続けると予想しています。この辺りを考えながら今後もBFを調整し続けていこうと思っております。
少々長めの文章となってしまいましたが最後までお付き合いいただき、ありがとうございました!それではまた次の記事で!