知識と日陰の備忘録

遊戯王に関することをそこはかとなく書きます

BFにおけるデストロイフェニックスガイの出張性能についての小考察〜前編〜

こんにちは!先日、OCGインストラクターのTetsuさんが主催の「哲会リモート」というリモート交流大会に出場して、またも懲りずにカリユガBFを握ってきたアキーシャです!マッチ戦4回戦で1-2-1という負け越しの結果となってしまいましたが、非常に楽しめました。

 

使用したデッキはこちら

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基本的なデッキのコンセプトや動かし方については以前紹介したものと変わらないので、そちらをご覧ください。

 

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今回の記事では、前回からの変更点と、採用したギミックで気になった部分についての小考察をおこなっていきます。それでは、よろしくお願いいたします。

 

記事を読む前に「そもそもお前誰や?」ってなった方はこちらをどうぞ

 

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 新たな構築における変更点

大きな変更点は2つあります

 

⑴<金満で謙虚な壺>の採用

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「展開が通りさえすればターンスキップを強いることができる可能性がある+展開に必要な札のサーチ手段がない+マストカウンターとなる手札誘発を突破する方法が必要」といったBFの弱点を克服しうると考えて採用しました。展開デッキなのにEXデッキコストにしていいのか?という疑問を持たれるかもしれませんが、このデッキのように「強いカードを何が何でも通して勝つ」というコンセプトを持つ場合、展開に必要となるカードは毎度同じものになることがあります。ということは、「展開には不要だが事故回避等の理由で採用しているカード」が存在しうるということになり、それらのカードは理想展開ができそうな場合は完全に腐るカードとなります。そういったサブウェポン的なカードをコストで飛ばして勝ちを拾いに行けるのであれば、それはとても価値のあることだと思います。

以上のことから、「カリユガ展開に必要なカードをサーチするために、不要なEXを使って発動できるカード」という条件を満たす、<金満で謙虚な壺>を採用しました。

 

⑵デストロイフェニックスガイ出張

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最新弾BURST of DESTINYで登場したD・HEROの新規融合モンスター。正直いって、こいつはまじで強いです。デッキ融合カードである<フュージョン・デステニー>を<捕食植物ヴェルテ・アナコンダ>で叩き落としてデッキ融合できます。各方面で出張セットとして注目されており、関連パーツが軒並み高騰するなど、現在最もホットな話題と言っても過言ではないでしょう。

そんなデストロイフェニックスガイ出張ですが、BFへも出張が可能であり、かつ相性も良いのではないかと考え、採用しました。

 

デストロイフェニックス出張とBFの親和性について

これは、そもそもBFの強みとして、「モンスター2体が一瞬で並ぶ」という点があるのが前提となる話です。

 

※BFについての個人的考察はこちらの記事で詳しくやっております

 

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アナコンダの召喚条件を簡単に満たせるため、よほどの手札事故が起きない限り基本的にアナコンダ→効果起動までいけます。これのなにが強いかっていうと、BFの弱点をうまくカバーできているという点なんですね。アナコンダフェニックスの出張でカバーできるBFの弱点は3つあると私は考えます。

 

1つ目は、「BFが基本的には3枚初動である」という点です。モンスター2体を並べるのが比較的簡単なテーマでありつつ、2枚じゃ大した動きができないというのが現状です。これを踏まえると、いかに初動を確保するかを考えてデッキを構築すべきなのですが、そうは言っても事故は起こるもの。その際のカバーとして、アナコンダが非常に役に立ちます。

 

2つ目は、展開中に妨害をもらった場合での機能です。BFはモンスターを特殊召喚しやすい特性を生かした展開ができるテーマですが、<RR-ワイズ・ストリクス>に対して妨害を受けた際にそこで展開がストップしてしまう場合があります。せっかく3体のBFを揃えても、止まってしまうのです。そこで、ワイズストリクスと余ったBFでアナコンダになれば、ひとまず1妨害たちます。サブルートとして仕込むのには優秀であると言えると思います。

 

3つ目は、デストロイフェニックスガイの場持ちの良さです。BFは息切れの激しいテーマであり、リソースの回復がしづらいという問題点があります。そのため、一度形成した盤面を崩されると、非常に戦いづらくなってしまったり、中途半端な展開で止められたりすると、再展開が難しくなるという点が弱いです。しかし、展開途中で出すことができるデストロイフェニックスガイは、場持ちも非常に良いため、ある程度長い戦いでも耐えることができます。

 

これらの点がBFの弱点をカバーしていると言えるため、デストロイフェニックスガイをBFに採用する価値が生まれます。

 

さらに、<BF–毒風のシムーン>を使って展開すると、EXデッキからの特集召喚に、闇属性の縛りが発生しますが、アナコンダ→フェニックスのルートはこの縛りでも機能します。この点でも、BFとの相性が良いと言えるでしょう。

 

実は過去にも使用していたアナコンダ出張

実は私、以前同じような理由でアナコンダ出張を採用したBFデッキを使っていまして、1度だけですがシングル公認大会でBFで優勝したことがあります。その際に使用したデッキがこちら。

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当時出張させていたのは悪名高き<超魔導竜騎士-ドラグーン・オブ・レッドアイズ>です。

私は「デストロイフェニックスガイはドラグーンたり得ない」と考えていて、別の役割を持つカードだと考えていますが、見かけ上のギミックは変わらないので、採用して弱い動きではないということは確かです。

 

リモート哲会で回してみた感想

まず強かった点は、シムーン始動時のケアができる点です。

BFにおいてアナコンダ出張を採用する際の最大のメリットは「シムーン始動時の増Gの止まりどころで1妨害構えられる」という点です。相手に2ドロー与えてしまいますが、今まで止まりどころがなかったシムーン始動で、メインギミックを潰さずに1妨害立てられるというのは非常に強力だと感じます。

さらに、これは<真紅眼融合>との大きな違いで、<フュージョン・デステニー>の素引きがめちゃくちゃ強いです。モンスターを展開した後に発動すれば、その後の闇HERO縛りもなんの意味もありません。デッキの中の不純物が減るという点でもデストロイフェニックスガイの出張は優秀であると感じました。

 

逆に、今回使用したデッキだと、思ったよりEXでやりたいことが多かったため、<金満で謙虚な壺>のコストに悩みました。手札次第で微妙に不要となるカードが変わる上、先攻カリユガを返された時のケアをする、となると思った以上にコストが重たかったです。実際に、シムーンや旋風を引き込んで展開できた場面もあったので強いは強いのですが、一考の余地がありそうです。

 

デストロイフェニックスガイをより生かすために...

今回の結果を踏まえ、BFデッキを新たに組み直すことにしました。デストロイフェニックスガイを得たので、昔のような構築に戻せるのではないかと、考えたからです。どのような構築になったのかについては、後編の記事で紹介いたします。それでは、また次の記事もよろしくお願いいたします。

 

改めまして、アキーシャです〜ご報告〜  

こんにちは!先日は遊戯王OCG最新弾"BURST OF DESTINY"の発売日でしたが、みなさんいかがお過ごしでしょうか?私も朝から2BOX開封してみましたが、今までにないような引きをすることができました。

 

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20th&プリシクに恵まれない芸人をやっていた私アキーシャですが、ついにやりました!どちらも+1パック産なので、次の目標は箱の中から出すことです!

 

さて、今回私がこの記事を書いていますのは、プリシクを2枚引いたことを見せびらかすためではなく、ちょっとしたご報告がございまして、今回はそれも含めて改めて自己紹介させていただきたい所存でございます。

 

 

 

アキーシャ、プロになったってよ

突然ですが私、プロのTCGプレイヤーの名前をいただくことができました。所属は”TOYGER Pros”というところです。

 

みなさんはTOYGERをご存知でしょうか?私の過去記事でも登場している、カードゲームサプライのメーカーさんでございます。当ブログで勝手にレビュー記事を投稿した"Deck Slimmer"や 

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Deck Slimmerに興味を持った方はこちらをどうぞ 

 

スマホ1台でリモート対戦ができるアイテム、"REMOTZ"などを販売しているメーカーです。

 

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REMOTZの詳細はこちらから

 

もともと、TOYGERの製品が便利で購入し使っていたところに、プロ募集のお知らせが目に止まり、じゃあ挑戦してみようかなと思ったのがきっかけで、晴れてプロの名義をいただきました。

 

プロになって、なにすんの?

名前だけ見ると「すげぇ!エド・フェニックスじゃん!」ってなるかもしれませんが、おそらく、皆さんの目に映るアキーシャは今までと特に変わらないと思います。TCGのプロなのですがから、やることは変わらず、TCGでございます。今後もちょくちょく遊戯王の交流会や大会に出没したり、リモート対戦を募集したり、唐突にキャスやらスペースやらを始めたり、この記事のように思いついた時にブログを書いたりと、これまで通り遊戯王に携わっていく所存です。ですので、「プロになったってことはめちゃくちゃ遊戯王うめーんだろうな!」みたいな過度な期待はしないでいただければ幸いです笑 遊戯王歴は長いのですが、別にそこまでうまいプレイヤーというわけではありませんので、こちらもとても緊張してしまいます笑

 

とはいえ、せっかくプロの名前をいただいたのですから、これを有効活用しない手はありません。今後やっていこうと思う活動を宣言としてここに書き連ねてみます。

 

1. 交流会or大会の開催

一番はこれです。実はプロになる前から画策はしていて、プランも頭の中にあります。ただ、情勢が情勢なのと、私自身の身の上の事情でなかなか開催に踏み切れていませんでした。プロとなったことを機に、イベント開催をしてみたいです。個人的には交流会の方に興味を持っています。

 

2. リモートデュエルの普及

これもプロになる前からずっとやりたいと思っていたことです。良くも悪くも遊戯王の競技年齢は高齢化をたどり、どちらかといえば大人の遊びになっています。新規ユーザーの獲得はKONAMI様に任せるとして、私は、今遊びたいけど気軽に遊べないっていう状況にある方々がもっと手軽に遊べる手段としてのリモートデュエルを広めていきたいです。

 

こんな感じですね。今後もどうぞよろしくお願いいたします。

 

で、結局お前誰よ?

ということで、改めて自己紹介させていただきます。

 

アキーシャと名乗っております。福岡在住の遊戯王プレイヤーです。20代後半ですが、遊戯王歴は20年になります。初めて遊戯王に触れたのは6歳ごろのこと。近所の玩具屋さんにあった「いらないカード回収ボックス」の中にあったカードを、店員さんに全部譲ってもらったのが出会いでした。<墓掘りグール>が大量に入っていたのを覚えています(なんならまだ実家に全部とってあります)。それからずっと友人と遊戯王をして遊び、中学生の時に出会ったBFを今でもずっと使い続けています。

所持デッキは環境〜カジュアルまで幅広く、60個ほど持っています。テーマデッキを好んで使います(動き覚えるのが簡単なので...)。カジュアルとは言いつつも、制圧モンスターを出すルートを考え、「好きなテーマで勝つこと」を目標としたデッキ構築を目指しています。

最近は遊戯王OCGだけではなく、ラッシュデュエルの方にも手を伸ばしています。こちらでも早くイベント等に参加したいな〜と思っている次第です。

 

今回は私の身の上の話でした。遊戯王の話はあんまりしてませんが、ご了承ください。今後ともアキーシャをどうぞよろしくお願いいたします。

 

リモート哲会で使用したカリユガBF紹介〜BF連載第3回(最終回)

みなさんこんにちは!今回がBF連載記事のとりあえず最後となります。とりあえずというのは当初の予定がこの3回分だったからという理由でありまして、今後気が向いたら番外編とかスピンオフとかアフターストーリーとかいうどこぞの界隈で好まれる手法で記事が追加される可能性があるからです。今のところそのつもりはないのですが、基本的に勘と思いつきとノリで行動して生きてきていますので今後どうなるかは私自身にもわかりません。とりあえず、予防線だけ貼っておきます。

 

前々回・前回の記事はこちら

 

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第1回では新規カードとBFの関連性について述べ、第2回ではその関連性への主張の根拠となるBFのテーマとしての強さと弱さについて補足をしました。最終回となる今回は、ここまで述べてきたBFの現状を踏まえて構築した、私が愛用中のBFの構築を紹介し、連載を終わりたいと思います。それでは、今回もよろしくお願いいたします。

 

 

 

さっそくデッキレシピ紹介から

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前置きは前2回の記事で終わっているので省きます。使っているのは先攻カリユガを目指すBFです。着地させれば実質的に相手にターンスキップを強いることができます。

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そして、私の書くデッキ紹介の記事にしては珍しく、サイドデッキが入っています。そうです、このデッキは「環境デッキではないという言い訳をしつつエグい制圧してちゃんと勝ちを拾いにいくこと」を目的として調整したデッキなのです。私はデッキをたくさん持っている都合上、いわゆる「環境トップ」のデッキも持っており、サイドデッキのパーツもしっかり持ってます。ですが、やっぱりBFが好きなので、BFで勝ちたいという思いが強く、BFをガチデッキ仕様に仕立てました。

 

このデッキは6月13日に開催された遊戯王インストラクターのTetsuさんが主催してくださったリモート哲会にて使用しました。デッキ紹介の後、戦績も紹介しておきます。

 

まずは動きを見てください

デッキの基本的な動きを紹介いたします。なお、このデッキを作成するにあたってはTCGプレイヤーの方のコンボ・デッキを参考にしつつ、OCG環境に合わせて調整を加えたものになっています。元動画が気になる方はyoutubeで「silentBW」で検索してみてください。

 

シムーン+コストでの展開

https://twitter.com/patchouli_duel/status/1407260811165257730

 

最終盤面:アーセナルファルコン(素材なし)+カンゴルゴーム+リダン(罠素材)+ラウンチ

相手ターンスタンバイコズサイをケアしながらカリユガを着地させるための準備を整えてターンを終わります。リダンで相手デッキトップを抜くことでデッキタイプを予測することができたり、魔法を素材にできれば1ドロー稼げたりします。<ツインツイスター>を警戒するのであれば、リダンはおかず、ブリガンダインセットにしておくのもありです。その辺は相手のデッキに合わせましょう

 

ゼピュロス+BFor旋風での展開

https://twitter.com/patchouli_duel/status/1407261922148323333

 

最終盤面:アーセナルファルコン(素材なし)+カンゴルゴーム+ラウンチ

こちらも同じく相手スタンバイでのコズサイをケアしながらカリユガに行けます。シムーン始動に比べて並ぶモンスターが少なくなりますが、最強カードであるゼピュロスに最初から触れているというのが非常に安心感があります。

というのも、セピュロスを墓地に送っておき、ツイートの手札にもう1枚ブラストかクリスを握っていれば、ワイズの効果に対する<無限泡影>や<灰流うらら>のような効果無効の手札誘発を貫通できます。手札のレベル4とゼピュロスでフォースストリクスを作れますし、2種類のRUMはどちらもラスティで引っ張ってこれるからです。最終盤面こそ弱くはなりますが、カリユガは安定してたちます。

 

では、なぜカリユガなのか?

数ある効果無効のカードたちの中から、なぜカリユガを立てることにし、BFで組むことにしたかについての説明をしていきます。

 

①各種カウンターカードに対する性能

妨害性能を持つカードが蔓延る現代遊戯王の中でも、強力な部類に入るのがカリユガです。しかし、対抗馬として比較対象にされるのは、おそらくVFDでしょう。

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ちなみに、BFでもVFDを立てること自体はできるのですが、あえてカリユガを選択しました。それは、効果無効に対するカウンタカードに非常に強いからです。

 

VFDの効果は「発動する効果」ですので、無効効果の発動にチェーンが可能です。ですので、<禁じられた一滴>や<無限泡影>、(準制限になってしまいましたが)<PSYフレームギア・γ>と言ったカードにチェーンを許し、無力化されてしまう危険性が残っています。

 

しかし、カリユガの効果は発動する効果ではないという裁定が出ています。つまり、着地に成功した瞬間に適用される効果であるため、先ほど述べたカードが全く効きません。また、これはVFDも同じなのですが、この効果は適用後残存効果として残りますので、たとえカリユガが除去されても、効果は無効にされ続けます。この点がめちゃくちゃ強いです。特に、一滴に関しては最近メイン採用のデッキも増えてきていますので、警戒すべきだと考えています。

 

②魔法も止められる

表側のカードの効果が無効になるため、魔法カードも場に表で置かれた瞬間に無効になります。これの何が強いかというと、なぜかしぶとく生き残っている<魔鍾洞>に対する回答にもなります。展開系のデッキの天敵と言える<魔鍾洞>ですが、魔法カードの効果は発動できるため、ラウンチ発動からのカリユガ着地までは問題なくいけます。

さらにその後、カリユガの効果が「適用」されますので、結果として<魔鍾洞>は無力化され、エンドフェイズにカリユガの②効果でフリーチェーン大嵐をすれば、次のターンに問題なくバトルができます。

その他の、魔法でモンスターを突破しようという戦術を全て封殺できるので非常に強いです。

 

③セットカードからの捲りのチャンスも与えない

②でも触れましたが、カリユガはフリーチェーン大嵐を持っていますので、相手の伏せにも強くでれます。天敵は<やぶ蛇>ですが、カリユガは打点が3500ありますので、戦闘でもそれなりに強く出れますし、大嵐を相手エンドフェイズに打ってしまえばそれほど大きな問題ではありません。<激流葬>やバリア系のカードに怯えることなく、相手のライフを取りに行けます。

 

④アーゼウスとの親和性

ゼピュロス展開例を見ればお分かりかと思いますが、展開にしようした札や相手の誘発具合によっては、カリユガは立ったけど微妙に打点が足りなくて削りきれない...というような場面に遭遇する可能性があります。

そこで活躍するのがこいつ

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ラウンチは発動後、ランクアップしたモンスターの素材になります。素材なしアーセナルにカリユガを重ね、そこにラウンチを入れると2素材カリユガになります。フリーチェーンで大嵐をした後、カリユガで攻撃してアーゼウスを重ねれば、2素材アーゼウスになれます。まとめると、カリユガができる仕事が

・1ターン場の効果全部無効(実質相手ターンスキップ)

・フリーチェーン大嵐1回

・3500未満のステータスを戦闘破壊orダイレクトで3500打点

・アーゼウスになって1回全体墓地送り

となります。強すぎますね。カリユガだけだと1ターンでライフを取りきれなかった後が怖いのですが、アーゼウスがいればもう1ターン、相手の動きを牽制できます。この辺りがうまくカリユガと噛み合っていて強いなぁと感じます。

 

ちなみに、カリユガを残したい場合には、飛んで逃げて帰ってきたリダンで相手のデッキトップを1枚盗み、バトル後にアーゼウスを重ねても2素材アーゼウスになれるので、覚えておいて損はないと思います。

 

⑤デッキに不純物が少ない

手札誘発を除いて、デッキを回すためのギミックとしてのBFでない不純物のカードは5枚です。ですが、このうちサイレントブーツ以外は全部素引きが強いです。ブーツ引いたらちょっと回し方が難しくなりますが、なんとかなります。また、初動の要求条件も低く、不純物が少ないことから、かなり安定して先攻カリユガできます。成功率は大体8~8.5割くらいです。

デッキを動かす上での注意点 

展開系を握った時に真っ先に考えることは「手札誘発を食らった場合の動き」です。これについて今から述べていきます

 

①2枚初動の組み合わせに、特殊召喚できるレベル4BFを引いている場合

この場合、<灰流うらら>と<無限泡影>はラスティ以外全部貫通できますシムーン始動であればラスティ成立前にカンゴルゴームが立つので、<無限泡影>も怖くないです。ですので、指名者やサイチェン後の<禁止令>はまず、初動に+したBFが引けているかを基準に考えましょう。

 

②<増殖するG>について

天敵です。脊髄反射で返してください。返せない場合の止まりどころを紹介します。

 

・ゼピュロス+4BF始動の場合

→バグースカ寝せてエンドです

・せピュロス+旋風

→ワイズ前に撃たれたら素直に止まっていいです。ワイズ後に撃たれたら全ツもありです。ワイズ壊されたらどっちにせよ勝ち筋が薄いので、突っ張る価値が生まれます。

シムーン始動

→フルアーマード寝せてエンドか全ツです。正直、どこで止まっても弱いです。旋風も無くなるし、捲り返すのが難しくなるので、ニビルうらら抜けそうであれば突っ張っていいと思います。

 

ご覧の通り、止まりどころはほぼないと思ってください。ですので、Gに対する対策が必須であると言えます。このデッキにはGに対する回答が8枚ありますので、なんだかんだ止められることが多いです。

 

③ニビルケアについて

基本的には抹殺の使命者頼みになります。しかし、レベル2BFを絡めている場合、ニビルケアができます。ニビルケアに使うのはこいつです。

 

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ホープストラクで高騰したやつ。BFであればこいつを正規召喚できます。

 

シムーン+レベル2BF+ブラストorクリスの場合

1.シムーンコストでレベル2BFを除外しておく。旋風おいて召喚して、アウステルサーチ。

2.アウステル効果で除外したレベル2を特殊召喚して旋風でハルマッタンサーチ。

3.ハルマッタンを特殊召喚してレベル調整を行わず、場に出ていたレベル2BFとX召喚。

 

これでピッタリ5体目の召喚でジャッジバスターが成立します。あとは手札からブラストorクリスを出して基本展開と同じ動きです。

 

・ゼピュロス+ガスト+ブラストorクリスの場合

1.ガスト効果で特殊召喚

2.旋風貼ってゼピュロス召喚、ハルマッタンサーチ

3.ハルマッタンを特殊召喚してガストとX召喚

 

めちゃくちゃ簡単ですが、特定の組み合わせでないと厳しいです。でもできるとできないとじゃかなり違うので、ケア札を採用する価値はかなりあると思います。

 

④γについて

無理です、諦めてください。モンスターを戦線に維持しながら戦わないといけないタイプのデッキなので、破壊までされるとマジでしんどいです。しんどいのですが、メインデッキにγ入れて抹殺で、っていう枠もないのでこれは食らったら諦めるしかないです。シムーン始動の場合は、フルアーマードになれる素材を残しつつワイズを作る、というので若干ごまかしは効きます。最初のシムーンに打たれる分には手札次第でなんとかなるんですけどね...

 

サイドデッキについて

大前提として、BFは後攻ワンキルや捲り性能が結構高めです。先攻だとただの置物になるフルアーマードも、後攻であればかなり強いカードとなります。しかし、最初の召喚が潰されるのが痛いのと、打ちどころによっては1妨害が致命的になる場所もありますので、最優先としたのはまず場を荒らせるカードです。そして、環境をみて、罠に対するケアをするために、制限ですがリブートを打ち込みました。

 

<禁止令>は主に、3戦目で先攻が選択できる時に入れます。展開途中、ゼピュロスで戻して貼り直しができるので、実質2枚分ケアできることになります。大抵の場合ニビルを宣言しますが、うららがきつい場合はうらら宣言です。Gが避けれないのが弱点ですが、ニビルうらら抜いてカリユガ立てば、勝てる試合もあるので、全ツでいいと私は思っています。

 

残りの枠に数種類誘発が積めるくらいだったので、とりあえずどのデッキにも刺さるGと泡影、あとは環境にぶっ刺さってるロンギヌスを入れてみました。今回参加したリモート哲会は、交流会的な要素もあり、おそらくゴリゴリの環境デッキは出てこないんだろうなとは思っていたのですが、かといって何入れればいいかも思いつかなかったので思考停止で3枚入れました。公認やCS意識でもロンギヌスは入ってくるのでまぁいいかなって言い訳させてください。

 

実際に戦ってきました!

というわけで実戦です。何気に、カリユガ型のBFでマッチ戦の大会に出るのは初めてでした。スイス4回戦の結果をご覧ください。

 

1回戦:シャーク(クラゲ入り) 先 ◎××

2回戦:60アンデ  先 ◎××

3回戦:真竜 先 ◎×△(時間ぎれ引き分け)

4回戦:60機巧 先 ◎◯

 

えっ、私のサイチェン後、弱すぎ...!?

 

プレイヤースキルのなさが露呈しました。サイド後の闘い方が悪かったですね。ただ、サイドカード自体はうまく機能していたのでそこは良かったかなと。相手が何をサイドから入れてきたかの読みが甘かったですね。ニビルくらいしかわからんかったっす。

 

良かった点としては、結果の◎のところです。これは全試合、先攻カリユガが決まって勝った試合です。今回全試合で1戦目は先攻スタートでしたが、しっかりとカリユガできました。その他の試合でも、ほぼ全ての試合でカリユガが立つ手札にはなっていましたので、非常に安定しているデッキに仕上げることができたのではないかと自負しております。

また、時間ぎれで引き分けにはなってしまいましたが、真竜をはじめとしたメタビ要素の強いデッキに対しては、フルアーマード横にしてエンドがめちゃくちゃ強いです。いずれ勝てます。相手のデッキや自分の先後に合わせてある程度柔軟に動きを変えられる点も強いなと感じました。総じて、デッキは強かったです。弱いのは私です。修行します。対戦してくださった皆様、そして何よりも主催してくださったTetsu様、本当にありがとうございました!

 

見えてきた弱点

BFの弱点については散々述べてきましたが、このデッキ特有の弱点が見えましたのでそれを紹介いたします。

それはなんといっても「アーゼウスが無理」

です。

 

最終盤面に残るカードで最もステータスが低いラスティは、場で効果を使わずに作れるXモンスターに殴り負けることも時々あります。また、今回でいえばクラゲ先輩のように、戦闘破壊されても墓地効果でXモンスターを供給できるので、メイン2にアーゼウスになってきます。これでエンドされ、カリユガの制圧効果が切れた後にアーゼウスで盤面を一掃されると、することがなくなります。

 

「いや、そりゃアーゼウスは壊れだから仕方ないっしょ」と言ってしまえばそれまでなのですが、現環境を考えるのであれば、アーゼウスを無視するというのは絶対にあってはいけません。どっからでも飛んでくるモンスターなので、戦う上で必ず意識しなければいけないモンスターだと思っています。

 

しかし、現状後攻1ターン目メイン2にアーゼウスを立てられた時の回答はありません。今後はここをどうカバーするのかを考えながらデッキ構築していきたいと思います。

 

今後の展望とまとめ

以上が、2021年4月環境最後となったリモート大会での私のカリユガBFの戦いでした。他のCSでは別の構築のBFを使いましたが、その時も環境デッキ相手にバリバリやれましたので、BFというテーマはポテンシャル自体は高いと思っています。罠コにボコられましたけど...

 

さて、今後の展望ですが、2021年7月環境では、<十二獣ドランシア>が再び禁止に、<PSYフレームギアγ>が準制限になりました。正直言ってこれはBFにとっては間違いなく追い風です。苦手かつ環境に蔓延っていたカードが一気に2種類枚数を減らしましたので、少しはやりやすくなるかな、という感じです。逆に、展開デッキ全体に対する追い風でもありますので、展開デッキに刺さる札がBFにも刺さるという問題点も増えました。わかりやすいのはGとニビルですね。おそらくメイン投入枚数が増やせるデッキが環境に残り続けると予想しています。この辺りを考えながら今後もBFを調整し続けていこうと思っております。

 

少々長めの文章となってしまいましたが最後までお付き合いいただき、ありがとうございました!それではまた次の記事で!

 

 

 

BF解体新書〜BF連載2回目・テーマ紹介〜

こんにちは!発表された制限改訂を見て首を捻りまくっているアキーシャです!なんというか、言いたいことはわかるけどそうじゃなくね?って感じの改訂でしたね〜...とりあえずいいかげん魔鍾洞はぶち込んでくれってのと、とばっちりでγが減ったPSYフレーム使いの方々には同情の念がつきません。強く生きてください...

 

何かのとばっちりでテーマが弱体化してしまうというのが遊戯王の醍醐味でもあり、悲しいことでもあります。ミニ連載ということで今回はそんな同じ悲しみを背負った過去のあるテーマ、BFについて紹介していきます。

 

前回の記事はこちら

 

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連載第1回は、鳥獣族汎用強化カード、<翼の恩返し>とBFにまつわるお話です。今回の記事はBFについて詳しく述べていきますので、前回の記事を読んでもBFのことがいまいちピンと来なかった方、<翼の恩返し>をみてBFに興味を持った方なんかにおすすめです。私より手練のBF使いの方々に見られる可能性があるのはかなり恥ずかしいのですが、一応私が一番長く握ってる山なので、もっとも多くのことを語れるテーマなのです。なるほどなぁと温かい目で見守っていただければ幸いです。それでは、いってみましょう。

 

 

 

BFとは?

2008年に登場した闇属性・鳥獣族を中心とする、シンクロ召喚をメインとしたテーマです。遊戯王5D'sに登場するキャラクター、クロウが使用していました。当時のOCGのカードパワーからするとインチキ臭い効果、展開力を持っていたため、環境を席巻し、ついには世界大会優勝という結果を残すまでになりました。

 

その強さから、多くの規制をうけた過去もありますが、時が経つにつれその強さが適正とみなされていくうちに、次第にフルパワーを取り戻しました。現在、フルパワーになり、DPで一度新規をもらってはいるのですが、環境レベルと比べるとやや見劣りしてしまうパワーのテーマであります。

 

BFの強みとは何か?

宇宙最強のカード、<黒い旋風>の存在

 BFの強さを語る上で欠かせないカードはまずこれ。<黒い旋風>です。

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BFモンスターの通常召喚時に、その召喚したモンスター未満の攻撃力を持つBFをデッキからサーチすることができる、シンプルなパワーカードです。これはつまりどういうことかというと、全てのBFモンスターに、召喚成功時サーチ効果を付与するという意味であります。弱いわけがありません。むしろ登場当時のカードプールから考えれば強すぎます。実際に、過去には規制経験もあるため、多くのプレイヤーに「強いカード」と認識されていたことは間違いありません。

 

簡単にモンスターを並べられる

では、サーチしたあと何をするのか?<黒い旋風>でサーチするためにはすでに召喚を行なっているため、そのままでは次の動きにつながりません。(まぁ10年ちょっと前の環境であればそれだけでも十分強かったんですけど...)

しかし、さすがは元環境デッキ。サーチ後にもすることが残っています。BFは、同名以外がいれば手札から即座に特殊召喚できる効果を持っているモンスターが複数いるのです。ですので、簡単に場に2体以上のモンスターを並べられます。

さらに、特殊召喚できるモンスターの中には<BF-疾風のゲイル>をはじめ、チューナーモンスターがいます。これを利用して古くは大型のシンクロモンスターに、現在では<水晶機巧-ハリファイバー>につなぐといった展開が可能になっています。しかも、一部のモンスターには特殊召喚の回数に制限がないため、連続で場にモンスターを展開できるのも魅力的です。

 

DPでの強化

その後、時代が進み、BFのパワーであっても環境クラスのデッキとやり合っていくのが非常に難しい状態になっていきました...かつて世界大会を制し、実はコンスタントに数枚強化をもらっていたBFでしたが、10期のDPにてついに大幅強化を得ることとなりました。それが<BF-毒風のシムーン>です。

 

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待望の<黒い旋風>を引っ張ってこれるカードが登場しました。しかもデッキから「置く」効果なので<灰流うらら>を避けられます。手札で発動する効果なので<無限泡影>も避けられます。しかもこれは効果で召喚するので、通常召喚権がまだ残っています。つまり、シムーンでサーチしてきたBFモンスターを召喚することで、さらにBFモンスターをサーチできる、ということです。マジで最強すぎます。闇属性しかEXから出せなくなる制約や、エンド時1000ダメージを受けるというデメリットがありますが、どうということはありません。

 

また、このカードと一緒に登場した新規もまた強いのです。

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レベル4のチューナーです。除外ゾーンのBFを引っ張ってこれます。シムーンのコストで除外したBFを引っ張ってくれば実質ノーコストです。しかもシムーンとアウステルでレベル10シンクロが作れます。そして、用意周到、最強のレベル10シンクロが新規として配られました。

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完全耐性、寝取り効果、爆殺効果とやりたい放題のカードです。寝取りと爆殺をするために必要となるカウンターも自分で用意できるという完成したカードです。なんなら墓地のアウステルを除外することでばらまきもできるため、即座に寝取り効果を使えます。完全に完成された動きですね...

 

その後も、ストラク候補にBFの名前が上がるなど、新規をもらえるフラグが立ちますが、このDP以降、目立った動きは起こっていません。

 

BFって何ができるの?

ここまで、BFの強みを紹介してきましたが、じゃあその強みを生かしてBFが何をやれるのかを紹介いたします。

 

前提となる初動札

BFは基本的に3枚初動となるデッキだと考えておいてください。しかし、条件付きで2枚初動になる場合があります。その条件というのが

「<BF-精鋭のゼピュロス>+<黒い旋風>or特殊召喚できるBF」

「<BF-毒風のシムーン>+BFモンスター」

です。これらが成立すると何ができるかってのを簡単に紹介いたします。

 

できることその1:シムルグ結界像アストラムサベージ

これはシムーン初動だと闇縛りがつくのでできません。結界像をアストラムで守りつつ、隣に1妨害添えるやつです。シムルグ効果で結界像に対する<無限泡影>を避けられます。成立すれば大体勝てます。弱点としてはニビルケアがしにくいのと誘発もらうと立て直しがしにくいこと、ライフを投げ飛ばさなきゃいけない点です。あと、最近はメイン採用もよくされる一滴がケアできないです。

 

できることその2:VFD+アルティメット・ファルコン

闇しか出さないのでシムーンからでも展開可能。ちなみに、「シムーン+レベル4」ならばおまけにサベージもたちます。こちらもとても強い盤面です。最悪VFDが突破されても3500打点の完全耐性であるアルティメット・ファルコンを超えるカードは限られます。弱点はこちらもその1とほぼ同様です。また、展開途中使用する<RR-ワイズ・ストリクス>に<無限泡影>を当てられたら終わります。

 

その3:先行カリユガ

アキーシャが絶賛愛用中の構築。相手の効果を封じ、フリーチェーン大嵐を持っている<DDD 双暁王カリ・ユガ>を相手ターンに着地させ、実質ターンスキップを強いるコンボです。指名者以外の手段でも誘発がケアできる可能性が高いことと、一滴がきかないという点で上記の2つより優れています。また、ゼピュロス、シムーン、どちらが初動になっても展開できます。しかし、効果無効が着地ターン中ですので、アーゼウスを立ててエンドされると終わります。

 

もちろん、これ以外にもたくさんの展開ができるのですが、紹介した3つの盤面がかなり強固な部類に入ります。

 

めっちゃ強そうに見えてきたがしかし...

ここまでを見ると「え、BF」ってめっちゃ強そうじゃね...?て思われるかもしれません。実際、決まればめちゃくちゃ強いです。初動2枚なのもなかなか強そうです。しかし、重大な問題点をいくつか抱えているというの厳しい現実がありますので、それを紹介していきます。

 

問題その1:初動どう確保すんの問題

2枚初動で動けるので、そこだけ見れば環境デッキにもそれほど引けをとらないように思えます。しかし、現在のBFには初動札をサーチする手段がありません。唯一初動サーチと言えそうなシムーンも、自身が初動札みたいなもんですし、シムーンをサーチする手段がないんです。「え?旋風でサーチすればいいじゃん?」ってそれはそうなんですが、基本的に通常召喚から動き出すデッキなので、初動に召喚権を使えなければ終わります。

 

もちろん、他にもそういうデッキはたくさんあります。そして、そういったデッキに採用される初動確保の手段は大体壺系のカードになります。しかし、BFは思考停止で壺を使っていいかと言われればそうではありません...それが次の問題に関わります。

 

問題その2:展開に必要な札が多い

メイン・エクストラともに、展開に必要となる札が結構多いです。そのため<強欲で貪欲な壺>及び<強欲で金満な壺>のコストで必要な札が飛んだ時に何もできなくなるため、採用しづらいです。<金満で謙虚な壺>は活用可能性があるにはありますが、そもそもメインが結構枠がいっぱいなので、デッキ枚数を増やしてでも壺を採用した方が良いのか、デッキ枚数をなるべく抑えた方がいいのか、かなり微妙なところであります。

また、展開に必要な札が多いということは、潤沢に手札誘発や汎用妨害カードを積むのが難しいということにもつながります。そのため、デッキの構築が非常に難しいです。

 

問題その3:そもそもBFテーマ内カードだけでは何もできない

先ほど紹介した最終盤面に出てきているカード名をご覧ください。BFのカードは一切ありません。そうです、BFのテーマ内のカードだけで勝つのは非常に難しいのです。これいうと燃えそうであれなんですけど、BFデッキで展開をしたいときにBFシンクロモンスター特殊召喚するのはシンプルにアド損です。

 

完全耐性を持ってるフルアーマード、召喚権追加を持っているノートゥングをはじめとして、効果自体は悪くないのですが、以下の点でどうしても他のカードが優先されます。

 

①直接的にアドバンテージを取ったり、展開を伸ばすための効果ではない

②相手への妨害ができない

 

①はより簡単に言えば、展開札のサーチです。基本的にBFは<黒い旋風>以外にサーチorドロー効果を持ったカードがありません。ですので、シンクロモンスターを出すと展開が止まります。唯一墓地から吊り上げ効果を持っているのは<BFT-漆黒のホーク・ジョー>ですが、レベル5以上でないと釣り上げられないためシムーン展開でないと使いにくく、かつホークジョー自身が戦士族であるという点が少しマイナスです。

じゃあ、シンクロモンスター立てて蓋すればいいじゃん!その通りです。その通りなのですが、それに関わる問題点が②です。BFシンクロは相手への妨害性のがほぼ皆無です。フルアーマードを立てて生き残れば強いですが、現代遊戯王において3000打点は妨害がなければ普通に作れます。シンクロを展開するにも、鉄板コンボであるハリラドンシムーンの相性が悪いというのがなんとも...で一言で言ってしまえば全部が中途半端になっている、というのがBFの現状かなと思います。

 

問題その4:環境が向かい風

2021年4月環境の状態でこの記事を書いているのですが、現環境では、本来他テーマに対する対策札であるはずのカードが全てBFにぶっ刺さります。また、罠カードで牽制するというのもかなりの激痛が走るレベルの痛手です。というのも、BFの最大の弱点は環境トップ時から変わらず、主に罠カードによる召喚潰しです。<黒い旋風>は効果処理時に召喚したモンスターが残っていなければサーチの処理ができず、また特殊召喚可能なBFモンスターも別名BFが場にいなければ出せないからです。場のモンスターを除去されるとかなり厳しくなります。ですので、メインから神罠が入っている低速環境、それに加えて<十二獣ドランシア>の存在が非常に苦しかったです。2021年7月からはドランシアが再び禁止カードになりましたので、今後の環境にも注目です。

 

問題その5:優秀なカードの理不尽な規制

昔、BFには墓地から舞い戻ることで、2回シンクロ素材にできてトークンを場に残すという超絶効果を持った最強チューナーがいました。そいつは効果は強いのですが、通常召喚で場に出すことがもっぱらで、墓地から特殊召喚したこのカードをシンクロ素材にするならBFしか使えないという縛りもあり、悪用対策も施されていた良調整カードでした。そいつの名前は<BF-隠れ蓑のスチーム>です。

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このカードは現在、禁止カードに指定されています。理由は簡単、トークン生成効果及び自信がチューナーであることが、<水晶機巧-ハリファイバー>と相性が良すぎるからです。現在のカードプールであれば、このカード1枚でハリファイバーになれ、その効果を安全に通すこともできます。めちゃくちゃ強いのはわかるんですが、それだけの理由で禁止にされており、BFの強みである連続シンクロの道が1つ絶たれてしまっています。マジでとばっちりもいいとこです。リンク素材にできない縛り付けてくれていいんでマジで早く返してください。

 

まとめ

以上がBFの略歴・強いところ・弱いところでありました。こう並べてみると圧倒的に弱点が多いように見えますが、個人的にはそれは間違いではないと思っています。悲しきテーマです。せめて、展開途中のカードでももっとBFが活かせるようになってくれればなぁと思う今日この頃であります。

とはいえ、BFがダメだとは全然思いません。インチキ効果てんこ盛りであるのもまた事実なので、次回の記事では、BFの強みを活かした、アキーシャの現在使用しているデッキを交流会のレポートと合わせてご紹介したいと思います。それでは、また次の記事で!

 

<翼の恩返し>はBF強化となり得るか?〜BF連載第1回〜

こんにちは!またまた久しぶりになってしまいました。アキーシャです。ブログを書いてない間、何をしていたかと言いますとウマ娘でございます。あれはマジで無限に時間が溶けるゲームですね〜。やりだすとエンドレスでやってしまうのでよくないっす。皆さんも、ゲームのハマりすぎには注意してくださいね!

 

さて、私がウマ娘にうつつを抜かしている間に、鳥獣族サポートとなる新規カードが発表されました。Animation Chronicle 2021に収録された新規カード<翼の恩返し>ですね。こちらのカード、非常にゆるい条件かつ全く縛りもない状態で2ドローできるとかいう破格の効果をもっているので、発表当初から話題にされておりました。

 

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鳥獣族といえば、そう、アキーシャの相棒であるBFの主な種族でもあります。それもあって、このカード発表後、SNSなどでは「BF強化だ!」という意見をちらほら見かけました。

 

おそらく皆さん、前回のDP以降、ストラク候補にも入りながら長らくBFに強化が来ていないタイミングでこの<翼の恩返し>が発表されたこともあって、ものすごく強化されているように感じているのかもしれません。ですが、私はそれを見ていて逆にものすごい違和感を感じたんですね。今回はこの<翼の恩返し>がBF強化たり得るかについて、個人的に考察した結果を述べていきたいと思います。それではいってみましょう!

 

 

 

そもそも、「強化」を定義してみる

遊戯王OCGにおいて、テーマが強化される、とはどのような状態のことを言うでしょうか?まずは私がこの記事を書いていく上で必要となる、私なりの「強化」の定義をしておきたいと思います。ここに関しては解釈違いがあると思いますが、「あぁこいつはこう言うふうに考えてるんだな」って感じで軽く流してくれて構いません。あまりにも解釈が相容れない場合はその場でブラウザバック推奨です。

 

1. 初動の確保・動きの安定

まずはなんといっても、初動とその後の動きを安定させることです。そのために、初動となるカードを引き込んだり、誘発を打たれた時にでもうまく切り抜けやすくなるようにすることで、テーマ独自の動きを安定させるカードが生まれれば、それは間違いなくテーマ強化と言えると思います。最近の例で言えば(ぶっ壊れすぎですが)<LL-バード・コール>や<サイバーダーク・ワールド>がこれにあてはまります。

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2.フィニッシャーor制圧効果の獲得、もしくはそれの補助

次に、やりたい動きを通した上で、最終盤面に残るカードが、強力であればあるほど、強い動きといえます。そんな中で、テーマ内に強力なカードを持つ大型がいなければ、それを配ることが、あるいは既に存在はするものの出しにくいor効果が使いにくいためにそれを補助するカードっていうのは、わかりやすい強化新規カードと言えます。こちらも最近のカードでいえば、テーマとしてほとんど完成していなかった<フルール>のエースモンスターとしてリメイク登場した<フルールド・バロネス>や、効果を使用するとめちゃくちゃ弱くなってしまっていた<鎧獄竜-サイバー・ダークネス・ドラゴン>の効果を補助する<サイバーダーク・インヴェイジョン>なんかがこれにあたります。

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3.弱点の補強

さらに、動きを強くする、というよりはむしろ弱さをカバーするカードというのも、強化新規といえます。これは発売前のカードなので画像を省略しますが、ペンギン新規の<ペンギン勇士>が、リバース効果の遅さをカバーする効果を持っており、弱点をカバーする強化新規であるといえます。

 

私は以上3点が「テーマを強化する」ということだと考えております。このうちどれか1つでも満たしていれば、それは強化といえます。もちろん、そのカードはテーマ内のカードである必要はありません。一番わかりやすいのは<鉄獣戦線>だと思いますが、あるテーマや汎用カードが結果としてまた別のテーマを強化していることにつながるというのは、遊戯王ではよくある話です。今回の話題である<翼の恩返し>も、テーマカードではなく、種族汎用カードですので、性質としては<鉄獣戦線>に似ていると言っても良いでしょう。(性能ではなくて、あくまで強化の性質の話ですが)

 

で、<翼の恩返し>はBFにとってどうなん?

さて、長ったらしい定義が終わったところで本題に戻ります。

 

まず、結論から申し上げますと、私が先ほどあげた定義に則るならば、<翼の恩返し>はBF強化であるとは言えません。ただし、全く価値がないカードというわけでもないのもまた事実。ここについて説明していきたいと思います。

 

BFの強い動きとは

そもそもBFで強い動きとは何か、これをご存知でない方も多いと思いますので、簡単に説明します。詳しいテーマ紹介は次回の記事に回しますので、今回はあくまでざっくりです。

 

BFの理想的初動札ですが、最理想は「<BF-精鋭のゼピュロス>+<黒い旋風>or特殊召喚できるBF」であり、時点が「<BF–毒風のシムーン>+コストとなるBFモンスター」の組み合わせです。現在、1枚初動と言えるカードは存在しません。

 

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特に<黒い旋風>はパワーカードで、全てのBFモンスターに召喚成功時サーチを付与する効果とほぼ同義であります。普通に強いです。また、手札から特殊召喚できるモンスターも豊富であるため、展開も伸びやすく、先ほど紹介した組み合わせであれば「先行カリユガ」「先行VFD+アルティメットファルコン」「シムルグアストラムサベージ結界像」などといったなかなかにいかつい盤面を確定で作ることができます。後攻をとっても、余裕でワンキルできる打点を並べられます。ここだけ聞くとめちゃくちゃ強そうなテーマに感じますよね。

 

じゃあ何が問題なの?

しかし、現状のBFには、この初動を安定させるカードがなく、2枚初動となって先ほど紹介した盤面を組めるだけの展開ができる組み合わせは上記2つ以外に存在しません。それ以外で同じことをしようとすると、3枚初動になります。

できなくはないけど安定しているかと言われるとかなり微妙なラインです。

 

じゃあドローをすれば初動札が引けるのではないか?全くもってその通りです。しかし<翼の恩返し>ではだめなのです。なぜかというと、<翼の恩返し>を発動した時点で既に召喚権を使用している場合が多く、2ドローで初動札を引いたとしてもどうしようもないのです。なんなら場にモンスターがいると効果が使えないシムーンは完全に腐ってしまいます。

 

<翼の恩返し>を使って展開を伸ばすには、BF2枚を引いて場に並べることはできたけど、理想展開するために必要な札ではないために、3枚初動となる3枚目のBFを引く以外には、基本的に活用方法がありません。同じ条件なら、初動確保ができる可能性のある<強欲で貪欲な壺>や<闇の誘惑>の方が圧倒的に強いのです。

 

また、<翼の恩返し>の発動条件は、場が全て鳥獣出なくてはいけませんが、BFの最終盤面が鳥獣のみになるというのはほとんどなく、あった場合にはだいぶ弱い場である場合がほとんどです。つまり、2ターン目以降確実に腐るカードになります。

 

え?BFってシンクロテーマだからBFシンクロモンスター立てればよくないかって?一言で言って、現状のBFでBFシンクロモンスターを立てるのは、シンプルにアド損です。立てたところで何もできないからです。役割を持てそうなのは完全耐性である<BF-フルアーマード・ウィング>か召喚権を追加できる<BF-星影のノートゥング>ですが、前者は立てたところで3000打点しかないので現代遊戯王では一瞬で突破される点、後者は実はBFでレベル6を立てるのは結構条件があるという点があり、これもなかなか安定しない動きです。

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以上のような問題点を解決できるわけでもないため、<翼の恩返し>はBFの強化と言える要素をほとんど持っていないということになります。強くない2枚を3枚初動に変える場合か、手札誘発を引き込むくらいにしか役割がありません。ドロー加速ができるならば、罠を増やすという選択肢もありますが、BFの展開力を生かし、そこに罠を搭載するような枠は40枚デッキを基準として考えるとほぼ空いていません。活用はなかなか厳しいカードかなと思います。

 

BFにおける<翼の恩返し>のまとめ

以上の内容をまとめると

 

①<翼の恩返し>は初動確保にはならない

②<翼の恩返し>は現状のBFの展開に合っている効果ではない

③1ターン目以外に活用できる場面がかなり少ない

 

という観点から、<翼の恩返し>はBF強化とはなり得ないと私は考えています。

 

とはいえ、効果自体は強いので...

とまあここまで厳しい意見を述べてきましたが、発動後の制約なしで2ドローはなんやかんや強いです。というわけで「<翼の恩返し>をBFで生かすとしたら、私ならこういう構築にする」というデッキを紹介して終わりにします。

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こんな感じです。先述の通り、<翼の恩返し>を発動した後にBFを引いても動けないという状況をなるべく減らすための構築にしています。また、ドローカードをモリモリにし、デッキの中に特定のギミックでしか使用しないカードを極力減らして、素引き事故やコスト除外での事故を軽減しています。とりあえずレベル4の非チューナーBFを場に出しておけば、高い確率でハリファイバー展開かノートゥングを使っての更なる召喚で展開を伸ばすことができるのでまぁまぁ安定します。また<BF-南風のアウステル>+<BF-砂塵のハルマッタン>の組み合わせでバロネスかフルアーマードが立つので、ニビルケアしながら動ける場合もあります。

最理想である「ゼピュロス+旋風orレベル4BF」を引いた場合、「シムルグ+インフィニティ+巨神鳥」が確定します。手順は以下の通り。

 

1.ゼピュロス召喚。4BFを特殊召喚

2.上記2体でワイズストリクス。効果でデッキからブラストを特殊召喚。(1の時点で<黒い旋風>が場にある場合は、レベル4BFであれば何を出してもいいです。)

3.場のブラストを戻してゼピュロス蘇生。ブラストを自身の効果で特殊召喚

4.ブラスト+ゼピュロスでフォースストリクス。効果で何かサーチ。おすすめは次ターンを考えてアウステル。

5.フォース効果処理後にワイズ効果でソウルシェイブセット。

6.ワイズとフォースでシムルグを特殊召喚

7.ソウルシェイブ発動してインフィニティ。

8.エンド時、シムルグ効果で巨神鳥特殊召喚

 

上記の動きが鉄板ですが、それ以外にもたくさんルートがあるため、ドローしてきたカードに合わせて使い分ける必要があります。その辺を考えながら戦えるので使ってて楽しいデッキに仕上がっています。<翼の恩返し>をBFで使ってみたいけど、どういうデッキにしたらいいかわからないという方はぜひ参考にしてみてください!

 

次回予告

BFについてもうちょっと詳しく紹介したいと思います。BFをよく知らない方だと、<翼の恩返し>が強化にならないって話もピンときにくいのではないかと思いますので...次回もどうぞよろしくお願いいたします。